●英名:Nutmeg/Mace
●和漢名:にくずく
●学名:Myristica fragrans Houttuyn
●科名:ニクズク科の常緑樹
●原産地:東インド諸島、モルッカ島(インドネシア)
●主産地:モルッカ島、グレナダ(西インド諸島)、スリランカ
ナツメグの原産は東インド諸島、モルッカ島で、ニクズク科の常緑高木樹である。スパイスとして利用するのは種子で、この種子からナツメグとメースが得られる。
果実が熟すと果皮が避け、種子が現れる。この種子は網目状の仮種皮で包まれている。この仮種皮を乾燥させたものがメースである。ナツメグは、種子を割った際に現れる褐色の仁のことである。
ナツメグ/メースには、特有の芳香と強力な矯臭効果かあるため、世界の様々な料理に利用されている。
同じ果実の種子からとれるため、ナツメグとメースの香味はとてもよく似ている。しかし、ナツメグの方が芳香感、苦味感、刺激感ともに強く、メースの方は繊細な香りである。値段は、生産量の少ないナツメグの方が高価である。
■ナツメグとメースの精油成分には、臭いをマスクする高価がある。そのため、肉料理には不可欠である。ハンバーグやミートソースなどの挽肉料理には欠かせない。ナツメグ/メースを肉によく練り込むと効果が高い。
■加熱すると刺激臭が弱まり、甘い香りが強調されるため、焼き菓子にも用いられる。ドーナツやクッキー、ケーキなどによく合う。
■焼きリンゴやプディング、フルーツパイ、クリームパイ、パウンドケーキなどには、ナツメグよりもメースの方が合う。甘い料理に用いる際は、シナモンと併用すると、より一層おいしくできあがる。
■ナツメグは漢方にも用いられる。健胃、消化促進、下痢、腹痛、冷え性、乳汁欠乏、口臭などに利用される。
■ナツメグは、栽培地がかなり限定される。昔から、ナツメグを育てるには、熱帯で海の香りがするところでなければならないと言われている。
■ナツメグは、種子から育てる。生長はかなりゆっくりで、結実するのは7年目からである。
■収穫は1年中行われる。果実を割ってメースを取り除き、2週間ほど天日で乾燥させる。ナツメグは、メースを取り除いた後の殻を、天日でさらに4〜8週間乾燥させ、木槌で割ってとる。
ナツメグ/メースは、栽培も収穫も非常に時間と手間がかかる。
■ナツメグは産地限定で生産量が少ないため、中世ヨーロッパではとても貴重で高価なものだった。イギリスでは、メース1ポンドが羊3頭分と同じ価値だったという。
■15世紀ごろ、オランダのナツメグ独占計画によって、オランダ領以外のナツメグが伐採された。しかし、フランス人の密輸業者と鳥によって計画はあえなく失敗。鳥が飲み込んだナツメグの種子が、排泄によって近くの島で落とされ、育っていったのである。こればかりは、オランダ人にも防げなかった・・・その結果、高価だったナツメグ/メースの価格は下がり、広く使われるようになったのである。
ナツメグは、ペパー、クローブ、シナモンと共に、世界4大スパイスと言われている。カレー料理には絶対に欠かすことのできないガラムマサラにも使われることが多い。肉の臭み消し効果が高いため、キーマカレーなどの挽肉料理に使うと効果的である。
ナツメグには身体を温める効果がある。冷え性な人や冷えから胃腸を壊しがちな人は、ぜひナツメグが入ったカレーを食べてほしい。
注※ナツメグの摂りすぎ(5g以上)は、痙攣・嘔吐・幻覚などを起こすことがあるので、調理の際は入れすぎないよう注意が必要である。